この記事のポイント
ガラス作家岡本亮さんが作る、瞬間を切り取ったようなガラス作品“uruguruGlass”はバーナーワーク技法を使用し作られている。
水のような、生き物のような、透き通るガラスには「ホウケイ酸ガラス」が使用されている。
試験管やフラスコなどに使われているガラスで、“比重が軽く”“透明度が高く”“割れにくい”性質がある。
名前の通りバーナーでガラスを溶かし変形させるため、制作にはかなりの集中力が必要だ。
バーナーは業務用のもので作業場の入り口には、大きいガスボンベが置かれていた。
実際にウォータークラウンを制作しているところを見せてもらい、少し体験もさせてもらった。
手の感覚でひとつひとつ丁寧に形を変え、火力や角度を調節しながら作品に仕上げていく。
簡単そうに手早く制作していたが、
重力で溶けたガラスが垂れてしまうので、ガラスを持っている手は常に回していなければいけないうえ、
狙っているところ以外が溶けないよう火を調整したりと、慣れと集中力の賜物だ。
初心者の私には一定に回すだけ、でさえ難しい。
火に当てている個所に集中しすぎると回している手が止まってしまう。
しずくひとつ作るのに瞬きすらできなかった。。
作り慣れている岡本さんは10分もかからずウォータークラウンを完成させた。
作業は大きいから簡単というものではないらしい。
ガラスが太くなればその分溶けにくく、扱いづらいそう。
作業場にはウォータークラウン以外にもたくさんの作品が飾られている。
それぞれどう作られているのか想像できないものばかりで、どうしてこの形になってるんですか、と
質問ばかりしてしまった。
なかでも面白かったのは、百貨店などで夏に最も人気の出る風鈴だ。
「珊瑚」\32,400
珊瑚で作られたドアチャイムからヒントを得て作られた風鈴。
こんなにも穴の開いたデザインの風鈴を見たことがない。
風鈴の淵が平らじゃないところもuruguruGlassらしい。
それでも音色は涼しげな風鈴の音だ。
夏は多くのオーダーが入りひたすら風鈴を作り続けることも珍しくはない。
ただ1つ制作するのに5時間もかかるそう。
それでも岡本さんは作り置きをしない。
それは昨日より今日、明日と過去に作ったものより今の一番良い状態のものを手に取ってほしいという想いから、
オーダーをもらってから作るので夏は風鈴に追われる事になるのだ。
オブジェ以外にも普段使いしやすいアクセサリーも制作している。
「露」 \6,480
「露」 \6,480
光が当たると本当に一滴の露が繋がっているように見える。
透明度の高い性質を持つホウケイ酸ガラスを使用しているからなのだろう。
主張が強すぎず、シンプルすぎず肌に馴染むアクセサリーは
トレンドなど関係なく長く使い続けられる。
uruguruGlassの岡本さん自身も面白く、ガラスを始めて10年になるのだがそもそもの始まりは「旅」からなのだ。
船で中国に渡って以来東南アジアをふらふらと旅し、エジプトのカイロに移動、そこから沖縄に渡り住むことになる。
写真を撮りながら旅をしていたこともあり、沖縄の撮影スタジオで働いたこともあるのだとか。
沖縄でガラスに出会い、働く中で知識・技術を身に付け、新たな技術を身に付けるべく関東に拠点を移した。
作業場には変わったものもたくさんある。
壁には沖縄で購入したお面が飾ってあったり、セミの抜け殻や、アンモナイトの化石、貴重な木の角材などなど。
本棚にも雪の結晶の図鑑やカビ図鑑などのガラスとは関係のなさそうなものが多くあった。
そういったものからヒントを得て調べ尽くしuruguruGlassの作品が生み出されているのだろう。
様々な経験を活かした岡本さんの作品は、ジブリ映画を見ているようだ。
展示の仕方なども素晴らしく、是非個展などを開催したくさんの人に見てほしい。
夏に向けてのガラスのアクセサリーも、風鈴をいち早く準備するというのも良さそうだ。
uruguruGlassで爽やかな夏が迎えられそう。
uruguruGlass
http://uruguruglass.wix.com/-uruguruglass-
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